医療法人社団 大通り歯科クリニック
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インプラント治療について

インプラント治療とは・・・インプラントとは歯を失った部分を補う治療法のひとつです ★部分入れ歯では入れ歯を支えるためのバネが目立ったり、お口の中で異物感が大きいことがあります。★インプラントはCT撮影や詳しい検査を行った上で骨に土台の部分を埋め込むため、普通の歯と同じように見え、異物感はほとんどなくなります。

インプラント治療とはどんなものですか?

人工の金属を、あごの骨に埋め、自分の歯のように噛めるようにする治療です。

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重要POINT
あごの骨に埋め込む
 インプラント治療とは、歯の無くなった部分に人工の金属の歯根(インプラント体)をあごの骨に埋め込み、その上に人工の歯(上部構造)を被せて、自分の歯のように「しっかり噛める」ようにする治療です。
 インプラント治療で回復された歯は、入れ歯と違ってしっかりと固定できますので、違和感もほとんどなく、天然の歯と同じように見え、噛むこともできます。
 また、1本でも、多くの歯を失っても、インプラント治療は可能です。インプラントは骨に埋め込むために、CTなどのレントゲン診査で、骨がどのような状態かを調べる必要があります。
素材はいろいろ
 いまや、世界中で年間に数百万本ものインプラントが使用されていると言われ、日本でも毎年、数十万本が使われています。インプラント体の素材は、現在ではチタンが主流です。チタンは骨に密着する特性があります。また、アレルギーや過敏症などを起こすことがなく、身体に優しい素材と言えます。
 一方、人工の歯の部分は、セラミックスやプラスチック、金属など、いくつかの種類があります。
 インプラント治療を受けた人からは、「自分の歯と変わらない感じがする」「自然な心地だ」という声がよく聞かれます。
 入れ歯やブリッジと異なり、他の歯にひっかけたり、被せたりして支えるのではなく、それ自体で独立して歯槽骨に埋め込まれて固定させるため、しっかりと噛みしめることができ、自分の歯のように感じられるのです。
常にメインテナンスを
 インプラントを埋めた後は、歯の清掃と同様に、日常的に、インプラントの周囲も清掃を怠らないようにする必要があります。いつまでも噛めるようにするためにも、定期的なメインテナンスが必要です。
Q.異物が入ると身体が拒否反応を起こさないの?
チタン製のインプラント体は、あごの骨に埋めると、チタンの表面にできる薄い酸化膜(酸化チタン)と骨のたんぱく質などが結びつき、しっかりと固定されるため、インプラント体は身体に異物とはなりません。
歯の部分の上部構造は、インプラントがしっかりと固定された後、噛みあわせを確かめながら、最終的な歯をセラミックスや金属などで作っていきます。

インプラント治療の進め方は?

インプラントは、外科手術を伴い治療法です。人は18歳位になると、あごの成長がほぼ終わるので、長期の計画を立てて治療を受けられます。数ヶ月から1年かけて2段階の手術をします。

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重要POINT
治療計画を立てます
 人によって身体の状態が手術に適さない場合もあります。まず、喫煙量の多い人には禁煙をおすすめします。血管が収縮して血流が悪くなるので、治り方が遅くなる可能性があるからです。
 また治療などで普段から飲んでいる薬があれが、それも影響するので、早めにお知らせ下さい。
 さらに、インプラント治療は、自由診療となるため、最初に治療計画を立て、治療の全体像をつかむことが重要です。患者さんの側は治療後、どういう状態になっていたいのかを歯科医に伝え、複数の治療計画を提案してもらいます。インプラントとブリッジを組み合わせる方法もあり、いろいろなやり方を説明してもらって治療を受けましょう。
1回目の手術
 インプラントは、外科手術を伴う治療法です。
 インプラントの手術は、多くの場合、一定の期間をおいて、2段階に分けて行う2回法がとられています。1回目の手術は、簡単に言うと歯ぐきを開いてあごの骨の中にインプラント体を埋め込み、歯ぐきを閉じるところまでです。
2回目の手術
 その後、インプラントと骨が結合するまで、数ヶ月、骨を作る場合は6ヶ月〜1年ほど待って、2回目の手術にかかります。2回目の手術は、人工の歯を取りつけるためと周りの歯ぐきを強化するために行います。
被せ物
 次に、頭だしされたインプラントの上に仮歯を作って装着し、調整を行います。約2ヵ月後に歯ぐきが落ち着いたところで最終の歯を作り、噛み合わせや見た目などに問題がないかをチェックして、最終の歯を装着し、完成です。
Q.インプラントの手術をするのが、怖いのですが・・・?
怖いと感じる人は少なくありません。痛みは麻酔で抑えることができます。
しかし、それでも怖いという人には、笑気ガス(亜酸化窒素)や鎮静法などを使用して、不安や緊張をやわらげることが出来ます。
インプラント治療のステップ・バイ・ステップ
STEP1 【診査・診断】  
STEP2 【インプラント体埋入前の処置】 ●口の中を徹底的に清掃
●残っている歯を治療
(歯周病、虫歯、噛み合わせ等の治療)
●インプラント体を埋め込む部分(あごや上顎など)の骨を造成
STEP3 【インプラント体の埋入手術】 ●1次手術(インプラント体の埋入手術)
下あご:1.5〜4ヶ月
上あご:1.5〜12ヶ月(1年)
STEP4 【仮補綴物の装着・修正】 ●仮補綴物(仮歯)を装着
●抜糸
●仮補綴物(仮歯)の修正:約2ヶ月
STEP5 【上部構造製作】 ●印象(型どり)
●噛み合わせの記録どり
●装着:約1ヶ月
STEP6 【メインテナンス】 ●1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月

インプラント治療を受けられないケース

全身的及び局部に問題がある場合は治療を受けることが出来ない場合があります。

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インプラント治療を受けられない人もいます!
全身的な問題がある人
●外科手術に耐えられない状態の人
●重症の糖尿病、肝臓病、心臓病、血液疾患のある人(※)
●頭蓋、頚骨部に放射線治療を伴う既往症のある人
●タバコをたくさん吸う人
●薬物やアルコール中毒の人

※重症の糖尿病、肝臓病、心臓病など全身にかかわる病気の人は、それぞれの分野の医師に相談して下さい。全身にわたる病気にかかっていても、日常生活に問題がなく、糖尿病であれば、血糖値を高血圧の場合は、血圧をコントロールしていれば、インプラント治療を受けられる人も多いのです。
局部的な問題がある人
●あごの骨が極端になくなっている人
●歯周病が治療されていない人
●歯ぎしりの激しい人

進歩する歯科医療技術

【歯周組織の再生治療が注目されています】
歯周病が歯の喪失原因の第1位になっています。歯を失った後の機能回復に最適なインプラント治療は、ここ30年で飛躍を遂げました。同様に歯周治療、特に歯周組織の再生療法も進歩しています。以前には抜かなければならなかった歯も、抜かずに治すことができるようになりました。

年々進歩を遂げている歯周治療

この20年間に歯周病の治療法は、飛躍的に進歩を遂げています。私が歯科医院を開業した頃は、抜歯していた歯でも、現在では、かなりの確率で保存できるようになってきています。

 歯周組織の再生療法の進歩が、このことに大きく貢献しています。また、歯が抜けてしまった部位に行うインプラント治療の進歩により、いままで諦めていた審美性や機能の回復が可能になってきたのです。

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歯周組織は再生できます
 歯の治療で「再生」という言葉を聞いても、何だろうと驚かれるかもしれません。むし歯のように歯に一度穴があいてしまうと、まず自然に元に戻ることはありません。それは、歯はほとんどが、無機質でできており、再生を起こすような細胞を含んでいないからです
 しかし、歯槽骨、歯根骨、セメント質、そして歯肉などはそれぞれの組織を作る細胞からできており、特殊な方法でその細胞を増やすことができるのです。
 と研究する分野である生体組織工学(ティッシュー・エンジニアリング)の進歩により、失われた歯周組織の再生が可能になってきたのです。
骨を増やす再生療法
歯周治療の目的は、歯周ポケットをなくして細菌を減らし、歯周組織の破壊を止めることです。しかし中等度から重度の歯周病は外科手術が必要な場合が多くなります。
 従来の外科手術では、歯肉を骨の位置まで下げる切除療法で歯周ポケットを浅くしていました。
 歯周病の治療としては効果的なのですが、歯が長くなる、歯がしみやすくなる。審美的な問題が生じやすいなどの欠点がありました。
 一方、再生療法は、骨を増やして歯周ポケットを浅くする方法ですから、これらの欠点をある程度なくすことができます。しかし、すべての状況に100%ではないこと、費用が高いこと、などが欠点として、あります。

歯科治療のおける再生療法の応用

 では、歯科治療のどのような部分で再生療法が応用されているのでしょうか。
 一般的に、歯周病では骨の形が垂直的に溶けている場合(すり鉢状)は、再生療法が可能で、水平的に溶けている場合は、切除療法が適応されます。
 再生療法が可能かどうかは、レントゲン撮影をし、種々の検査を行ったあとに歯科医が診断します。
 歯周組織を再生させる歯周再生療法は、現在、エムドゲイン法、GTR法、骨移植法の3つの方法が使われており、時としてこれらを組み合わせて、用いることもあります。

 また、歯肉の再生も可能になりました。歯肉が痩せて歯根が露出し、歯が長く見えているような状態を改善することができるようになったのです。

これは歯周形成外科と呼ばれる分野の治療法ですが、上顎口蓋歯肉の内側の結合組織という部分を移植する方法、あるいはエムドゲインを利用して歯肉の再生が可能になってきました。

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インプラントに応用される再生療法
 これまで、あごの骨が痩せてしまった歯周病の患者さんにはインプラント治療はできませんでした。しかし骨を移植するなどして骨を再生させ、それが安定するとインプラントも頑丈になるのです。
また、従来インプラント治療が困難だった上顎の奥歯も、再生療法により治療ができるようになっています。上顎の奥歯のあたりの骨には大きな空洞(上顎洞)があり、インプラントができませんでした。この上顎洞に骨移植を行う技術の開発により、その成功率は96%程度にまで上がっています。
移植した部分にインプラントを入れて、噛めるようになるまで約1年近くかかりますが、硬いものを十分噛めるようになります。
歯の発生過程の研究で発見
 歯はあごの骨の中で歯胚と呼ばれる種のようなものから徐々に歯の形になっていきます。歯ができる過程を研究している時に、歯根が作られる段階である種のたんぱく質が現れることが発見されました。このたんぱく質を抽出して歯周病になった歯根に作用させると、セメント質、歯根膜、歯槽骨などの歯周組織が再生されたのです。まさに、歯の発生過程を再現した治療法と言えます。そのタンパク質は“エナメル基質たんぱく”と呼ばれエムドゲインという名前の製品として1999年に本邦でも使用できるようになりました。誰もがこの治療法を受けられるといいのですが、健康保険ではカバーされていないのが残念です。

どちらがホント?インプラントの良い噂、悪い噂

 近年、インプラント治療の進歩は目覚しく、高い成功率、機能の回復、審美的な治療が可能になってきました。
 「何でも噛めるようになって、若返ったようだ」 「どの歯がインプラントか、わからないくらい自然で嬉しい」など、多くの患者さんから良い評価を得ています。

 ところが一方で、「インプラントをしたが、すごく腫れて痛かった。今も噛めない」「高額な治療費をかけたのに、すごく悪くなって抜けてしまった」など、悪い噂も、実際に色々な話を耳にします。

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悪い噂が出たワケは?
 日本ではインプラント治療が一般の歯科医院で治療され始めたのは、30年ほど前からだと思われます。そして、20年くらい前からチタン製のインプラントが主流になり、現在その成功率は95%以上、失敗の少ない治療法となりました。それ以前は、セラミックスや非金属などで作られたものが多く、現在と比べると成功率が非常に低い状態でした。その頃、インプラント治療を受けた患者さんの中には、悪い印象を持っている人が少なくないでしょう。
もう1つの理由は、歯科医の技術の問題です。治療する歯科医の技術で結果が大きく変わってくるのは当然といえば当然です。
従来のやり方では隣の歯も悪くなる
 状況にもよりますが、従来の入れ歯やブリッジなどの方法で歯を入れると、それを支えている歯(支台歯)の負担が大きくなり、抜けた歯の隣の歯まで悪くなることがあります。もし、歯周病が進行している歯に留め金をかければ、さらに危険な状態になります。このように従来の方法では、ブリッジから部分入れ歯へ、そして総入れ歯へと徐々に悪化していく可能性が高いのです。
ほかの歯にも良いインプラント
 インプラントは歯が抜けた部分の歯槽骨に直接結合します。ですから、隣の歯に留め金をかけたり、ブリッジのように削って冠を被せたりする必要がありません。ただでさえ、歯周病で骨が少なくなっている歯ですから、負担が大きくなると歯周病が悪化してしまいます。その力をインプラントで分散すると個々の歯の負担が少なくなり、残っている歯にとっても良い影響を与えるのです。
ただし、歯周病患者にインプラントを行う場合は、残っている歯の歯周治療がきちっと出来ていることが前提です。残っている歯の歯周治療が出来ていないと、インプラントにも歯周病菌が感染し、両方とも悪くなってしまうことがあります。インプラント治療は、歯周病が治療ができる歯科医院で受けるのがよいでしょう。

(出典)
『これで解決!!歯周病・インプラント 信頼できる歯科医院』 監修:小野 善弘、中村 公雄、宮本 泰和 / 発行:幻冬舎
「進歩する歯科医療技術」 宮本 泰和(日本インプラント研究会会長 四条烏丸ペリオインプラントセンター院長)

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